中国の富裕層にとって、日本の不動産投資で関心のある物件タイプはリゾートマンションとオフィス。エリアでは北海道と東京の人気が高い――。中国富裕層を対象にマーケティングやコンサルティングなどを手がけるグローブリンク(本社:港区)は2012年7月、中国富裕層の対日不動産投資に関する意識調査の結果を発表した。

 グローブリンクは2012年3月に、上海市、北京市、および広東省内に住む月収2万5000元(約31万円)以上の層の上位100人に対して、直接ヒアリングによるアンケート調査を実施した。この結果、関心のある投資物件のタイプの1位はリゾートマンションの32%で、次いでオフィスビルが29%、ファミリーマンションが17%と続いた。投資エリアについては、北海道が1位で26%、東京が23%と続く。わからないと答えた回答も22%を占めた。

 投資金額については、1000万円~5000万円と答えた回答が46%で最も多かった。2位は1000万円以下で33%。5000万円~1億円が13%で3位となった。投資で期待することは、「投資の安全性」(28%)、「収益性」(25%)、「キャピタルゲイン」(24%)、「自己利用」(12%)という順になっている。

 日本に投資するにあたって知りたい内容を尋ねたところ、全体の約半数が「日本の不動産に関する法律」を挙げた。また、全体の80%が「日本の不動産投資に関する情報を十分に取得できていない」と回答している。グローブリンクは、中国の富裕層は対日不動産投資に関心も資金も持っているものの、日本のマーケットに関する情報不足などから具体的なアクションには至っていないと指摘している。