新生銀行旧本店ビル
新生銀行旧本店ビル

 千代田区内幸町の新生銀行旧本店ビルをめぐる入札が先週行われた。ケネディクスの応札価格は約510億円とみられる。同社は7月に優先交渉権を獲得し、正式契約に向けて売り主と協議に入る見通しだ。

 新生銀行旧本店ビルは地上22階地下5階建て、延べ床面積6万2423m2のオフィスビルで、1993年に竣工。2008年3月にモルガン・スタンレーのファンドが1180億円で取得したが、その後ローンはデフォルトし、物件処分の主導権はCMBS(商業用不動産ローン担保証券)投資家を中心とする多数の債権者の手に渡った。入居していた新生銀行は2010年11月に退去し、現在は空きビルとなっている。

 2011年後半からは信託銀行とサービサーによる売却活動が本格化。業界関係者の間では、隣接地にオフィスを中心とする複合施設の日比谷シティを保有する、三菱地所と富国生命保険の連合による取得が有力とみられていた。新生銀行旧本店ビルは法定容積をほぼ消化しており、再開発の余地に乏しいことから、両社は最終的に応札を辞退したとの観測がある。



《追加情報》2012年6月28日
今回の入札では、米系ファンドとみられる別の参加者が最高額を付けたものの、取引を辞退していたことがわかった。タイトルと本文冒頭の記述を修正した。