大手町1-1計画(仮称)の外観イメージ(資料:三菱地所)
大手町1-1計画(仮称)の外観イメージ(資料:三菱地所)

 三菱地所とJXホールディングスは、千代田区大手町1丁目のりそな・マルハビルと三菱東京UFJ銀行大手町ビルの2棟を建て替える「大手町1-1計画(仮称)」に着手する。一体的な計画として、それぞれが新たな超高層ビルに生まれ変わる。2012年6月11日に、東京都が都市再生特別地区の都市計画決定を告示した。

 りそな・マルハビルの建て替えは、三菱地所とJXホールディングスの共同事業として進める。JXホールディングスは、完成後のビルに本社とグループ会社を移転する計画だ。三菱東京UFJ銀行大手町ビルの建て替えは、三菱地所の単独事業として進める。

 建設するビルは、敷地南側のA棟が地上22階地下5階建て、北側のB棟が地上29階地下5階建てで、総延べ床面積は約25万5000m2の規模となる。りそな・マルハビルの跡地にA棟、三菱東京UFJ銀行大手町ビルの跡地にB棟が建つ。A棟は2015年度、B棟は2016年度の完成を予定している。

 A棟、B棟ともオフィスを主用途とする。1フロアあたりの面積はA棟が約2750m2(約830坪)、B棟が約3300m2(約1000坪)だ。B棟の高層階には約120室のサービスアパートメントを設ける。このほか、A棟の1階に環境ビジネスを手がける企業・人材の情報拠点としてビジネス・エコシティ・センターを、地下1階に健康施設やランニングステーションを整備する。

 災害時の電力供給については、重油を使用する非常用発電機に加え、中圧ガスと重油の2種類に対応するガスタービン発電機を設置する。敷地内に約50万リットルの大容量オイルタンクを備え、重油のみで72時間以上の供給を可能とする。水害対策としては、1階部分や周辺建物との地下接続部、重要な設備室に防水扉などを設置し、多重的に止水対策を講じる。

 このほか、皇居外苑堀の水質を改善する官民連携の取り組みとして、敷地内に水浄化施設と約3000m3の貯留槽を整備する。堀に面して、約2800m2の環境共生型コミュニティ広場も設ける。


開発名:大手町1-1計画A棟(仮称,りそな・マルハビル建て替え)
所在地:千代田区大手町1-1-2(住居表示)
最寄り駅:地下鉄大手町駅徒歩1分
面積:土地約6900m2、延べ床約10万8000m2
構造、階数(地上/地下):S・SRC造、22/5
用途:事務所、店舗、駐車場
事業主:三菱地所、JXホールディングス
設計者:三菱地所設計
施工者:鹿島、NIPPO
工期:2012年2月~2015年11月

開発名:大手町1-1計画B棟(仮称,三菱東京UFJ銀行大手町ビル建て替え)
所在地:千代田区大手町1-1-1(住居表示)
最寄り駅:地下鉄大手町駅徒歩1分
面積:土地約9300m2、延べ床約14万7000m2
階数(地上/地下):29/5
用途:事務所、店舗、サービスアパートメント、地域冷暖房施設、駐車場
事業主:三菱地所
設計者:三菱地所設計
工期:2013年度~2016年度

〈追加情報:2013年2月22日〉
事業主2社が2月20日付でA棟工事に着手し、新たに概要を公表したため、A棟の工期、施工者、基準階床面積などを更新した