欧州を代表する年金基金など、世界の30以上の団体で構成するGRESB(グレスビー:Global Real Estate Sustainability Benchmark)は、上場企業やREIT(不動産投資信託)運用会社、私募ファンド運用会社などを対象にした環境対応の調査を4月2日から開始する。

 世界の主要な不動産事業者を対象としたもので、今回が3回目。不動産が長期にわたって安定した収益を上げるために、サステナビリティー(持続可能性)が重要だと位置付けており、投資先の評価に役立てる狙いがある。9月に結果を発表する予定だ。

 調査では、サステナビリティーに関する管理体制や開示、エネルギーや水の消費量、温室効果ガス排出量、廃棄物発生量などについて回答を求める。今年から、環境認証を受けた保有物件を問う項目に、日本のCASBEE(キャスビー)が加わった。

 GRESBは、欧州の年金基金のアセットマネジャーであるAPG、PGGM、USS、オランダのマーストリヒト大学が創設した。GRESBのメンバーは昨年時点で約1兆7000億ドル(約140兆円)の運用資産残高を有する。海外の資金を流入させることを目的に、不動産証券化協会が今年からサポートメンバーになった。日本での調査は、CSRデザイン環境投資顧問が担当する。

 前回の2011年は、世界全体で340者(上場企業・REIT69、私募ファンド271)が調査に協力した。このうち日本の協力者は20者(上場企業・REIT5、私募ファンド15)と少ない。調査の結果、アジアの不動産事業者の成績は相対的に低かった。