トヨタ本社ビルは空調時間短縮

 三井住友海上新川ビルと同じく実質1位となったのは、トヨタ自動車東京本社ビルだ。1m2当たりの年間エネルギー消費量は1110MJ、年間温室効果ガス排出量は47.7kgだった。延べ床面積4万9154m2の規模で、1982年に竣工した。2009年度の在館者数は約950人。在館者密度は100m2あたり1.9人だ。1位の三井住友海上新川ビル、後述する3位の三井住友海上駿河台ビルと比べると密度は低い。

トヨタ自動車東京本社ビル

 この4年間のビル全体の温室効果ガス排出量は、2006年度が2744t、2007年度が2760t、2008年度が2476t、2009年度が2348tとなっている。2007年にビルのリニューアル工事を実施。空調機器・換気設備のインバーター化や高効率Hf(高周波点灯)照明器具への更新などの結果、2007年度から2008年度にかけて温室効果ガスの排出量が大きく減少した。続く2009年度は以下の3点を実施し、さらなる削減を実現した。

 ▼事務所フロアの空調時間の1時間短縮
 ▼廊下の照明を半分消す
 ▼地域冷暖房受入熱交換器のスケール(湯あか)除去

 トヨタ自動車によると、上記の対策のうち特に空調時間の短縮が、エネルギー削減に効果的だった。事務所フロアの空調は、従来8時15分から20時15分まで運転していたものを、2009年度は8時15分から19時15分までと、1時間短縮した。来客や外部の人を交えた会議など特別な事情がない限り、残業があっても一斉に停止する運用を徹底した。