■庇も兼ねるアウトフレーム構造で窓際に柱のない長方形の貸し室を実現
■日射熱の遮断効果が高い超高性能ガラスを採用
■工事費の坪単価は約100万円

 赤坂見附の交差点から元赤坂方面に目をやると、白い格子を重ねたような超高層ビルが目に入る。深い陰影を刻むその建物こそ、2012年1月の完成を目指して建設中のAKASAKA K-TOWER(赤坂Kタワー)だ。“ゼネコンデベロッパー”を標榜する鹿島が事業主となり、設計、施工、運営まで手がける。本社の隣に築く地上30階地下3階、延べ床面積5万3703m2のビルは、3階~24階が賃貸オフィス、26階~30階が44戸の高級賃貸住宅になる。

無駄なく使えるフロアを追求

 計画が誇るのは42m×28.5m、約400坪の長方形のオフィスフロアだ。無駄なく使いやすいオフィスフロアを追求した結果、柱や梁を建物の外部に配することになった。外観上の特徴にもなっているアウトフレーム構造だ。地震に抵抗する力のうち9割程度は、このアウトフレームが負担する。

建設中のAKASAKA K-TOWER。柱や梁を建物の外部に配したアウトフレーム構造を採用した

 窓際に柱型が出ないので、テナントは部屋の隅まで有効に利用できる。貸室の内部には、中央付近に4本の円い柱があるだけ。複数階を借りるテナントは、この空間に上下階と行き来するための階段を設けることもできる。基準階のレンタブル比(床面積に対する貸し室面積の割合)は77%だ。

 アウトフレームは、省エネにも重要な役割を果たしている。庇となって日射を遮る。さらに、独自開発のグレーの超高性能Low-Eペアガラスが、太陽光の熱が室内に入り込むのを防ぐ。自動制御ブラインドは、自然光利用と空調負荷などを条件として最適な角度に調整する仕組みだ。人感センサーと連動し、人がいないときはブラインドを閉め、照明は最低限に減光して省エネを優先する。