Boris Johnsonロンドン市長(写真:MIPIM)
Boris Johnsonロンドン市長(写真:MIPIM)
シティ地区の高層化など大型開発が続く(写真:MIPIM)
シティ地区の高層化など大型開発が続く(写真:MIPIM)

 MIPIMは、年ごとにカントリー・オブ・オナー(名誉国)を参加国の中から一つ選んで重点的に紹介している。今年の名誉国となったのは、2012年にオリンピック開催を控える首都ロンドンを中心に、力強い回復を見せている英国だ。展示会場の屋外に設けられたロンドン市の特設大型テントは、その好調ぶりを裏付けるかのように連日にぎわいを見せた。

 ロンドンのBoris Johnson市長は基調講演で「大都市にこそ世界の未来はある」と述べ、グローバル市場での存在感をアピール。オリンピック閉幕後、その跡地200haに住宅を開発するクィーン・エリザベス・オリンピック・パーク計画や、テムズ川の架橋計画などを紹介し、躍進するロンドンを強調した。

 会期中にジョーンズ・ラング・ラサールが発表した調査結果によると、2010年はロンドン市全体で前年比34%増にあたる100億ポンド(約1兆3500億円)以上の商業用不動産が取引され、世界のなかで最も投資の集まった都市となった。なかでも金融街のシティ地区は50億ポンド(約7300億円)を占め、このうち68%が海外資本による投資だった。

 またクッシュマン・アンド・ウェークフィールドの調査によると、ロンドン中心部のオフィス賃料は2009年に比べ23%強上昇し、2013~2014年にはオフィス床の供給不足が予想されている。低金利、ポンドの下落、アジアの投資家の動き、海外の政情不安なども手伝って、今後はさらなる資金の流入が見込まれるという。

篠田香子=フリーライター