全35REITの地震関連発表および被害状況

 3月11日に発生した東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)に関して、REIT(不動産投資信託)運用資産の被災状況が徐々に明らかになってきた。運用に重大な影響を与える被害は発生していないものの、一部のREIT物件では軽微な損傷が生じたもようだ。

 仙台市内に運用資産を持つREITは16法人。運用資産は住宅26物件、オフィスビル13物件、商業施設2物件、ホテル1物件の合計42物件だ。その他の東北地方を含めると、17法人が47物件を運用している。

 地震が発生した3月11日から14日早朝までの、各REITの地震関連発表を集計したところ、上記17法人のうち4法人は被害状況を調査中。12法人は「運用に重大な影響を与えるような被害は生じていない」としている。ユナイテッド・アーバン投資法人によると、仙台市のアルボーレ仙台で天井板の一部が剥離(はくり)したり、スプリンクラーの破損によって漏水が発生したりといった軽微な損害が発生しているもの、運用に大きな影響はないという。

 一方、東北地方に運用資産を持たない18法人においても、14日早朝時点で10法人が何らかのコメントをウェブサイトに掲載している。このうち日本ロジスティクスファンド投資法人は、東京・神奈川・千葉・埼玉にある物件の一部で敷地の液状化や施設壁面のクラック、シャッターの破損といった被害が生じたことを明らかにしている。