3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震を受けて、REIT(不動産投資信託)各社が被害状況の把握に追われている。宮城県仙台市に運用資産を所有するREITは16法人で、物件数は42。東北地方全域では17法人、47物件に上るもようだ。

 前日に仙台で2棟の賃貸マンションを購入したばかりのアドバンス・レジデンス投資法人は地震後、「保有物件への影響については調査中です。詳細は判明次第お知らせいたします」との発表をウェブサイトに掲載した。9物件と仙台で最も多くの物件を所有する日本賃貸住宅投資法人やその他のREITも、続々と同様のコメントを掲載している。

 地震発生を受けて、不動産証券化協会(ARES)は3月11日と12日に予定していた「Jリートフェア2011」の開催を中止した。会場となった千代田区丸の内の東京国際フォーラムは、安全確保のため立ち入りが規制され、展示物の撤去ができない状況だという。

 世界各国から支援の申し出が寄せられるなか、海外では早くも今回の地震に対する保険会社の負担にも関心が集まり始めている。Wall Street Journalは「壊滅的な被害だが、日本の住宅所有者や企業は保険を買うことに消極的なので、世界の保険市場が最も重い負担を強いられるということはないだろう」と報道。一方、Bloombergは「日本の保険会社と政府で負担は吸収されるが、その後に世界の再保険会社は100億ドル(8000億円)規模の損失に直面する可能性がある」との専門家のコメントを紹介している。