写真中央の白い建物が「新宿フロントタワー」。垂直性を基調とした外観デザインだ。左奥に分譲マンション「ザ・パークハウス新宿タワー」ができる。右側に見える建物は「西新宿8丁目プロジェクト」(写真:ケンプラッツ)
写真中央の白い建物が「新宿フロントタワー」。垂直性を基調とした外観デザインだ。左奥に分譲マンション「ザ・パークハウス新宿タワー」ができる。右側に見える建物は「西新宿8丁目プロジェクト」(写真:ケンプラッツ)

 三菱地所などが東京都新宿区北新宿2丁目で開発中のオフィスビルの名称が「新宿フロントタワー」に決まった。オフィス部分の貸し室面積は5万1947m2。9月にオープンする予定だ。

 事業は、三菱地所、三菱地所レジデンス、平和不動産、キャピタランドの4社が共同で進めている。1万4428m2の土地に、オフィスビルと分譲マンションの2棟を建設する。街区の名称は「新宿フロントスクエア」だ。

 新宿フロントタワーは地上35階地下2階建て、5階~34階がオフィスフロアになる。地震や風による揺れを抑える制震装置を備える。緑化面積が約2400m2と広いことも特徴だ。オフィス基準階の1フロア面積は約511坪、天井高は2.9m。4階は新事業創造フロアとして、ベンチャー企業などを支援する。

 環境認証の取得予定はないが、CASBEE(キャスビー、建築環境総合性能評価システム)で最上位のSクラス相当のビルを目指す。計画時点では、建物断熱性能を示すPAL低減率が19.77%、設備の省エネ効率を示すERRが29.16%となっている。

 隣接地では貸し室面積約9万m2の「西新宿8丁目プロジェクト」(仮称)が8月に竣工を予定しており、新築オフィスビルの開業が相次ぐ。新宿フロントタワーでは、「複数社の内定が出ている」(三菱地所の担当者)という。テナント募集賃料は明らかにしていないが、1坪あたり共益費込みで2万5000円程度とみられる。

 分譲マンション「ザ・パークハウス新宿タワー」は、地上20階地下1階建ての免震構造だ。分譲戸数は298で、居住者専用の庭園などを設ける。太陽光発電と一括高圧受電システムを組み合わせたシステムを導入し、各戸の電気代を約10%低減する計画だ。星印の数で環境性能を表す東京都の制度(2009年度基準)では、12満点中12の星を表示する。2012年3月の竣工予定だ。

 三菱地所などのグループは2007年9月、北新宿地区第二種市街地再開発事業(1街区)の特定建築者として選定された。土地取得価格は1154億1000万円。オフィス部分(9628m2)が1053億8000万円、住宅部分(4800m2)が100億3000万円という内訳だ。

 共同事業者のキャピタランドはシンガポールの大手不動産会社だ。この事業については2008年、総事業費約1600億円の約20%に相当する約320億円を出資することを明らかにしている。


開発名:新宿フロントスクエア
所在地:東京都新宿区北新宿2-195-10、11(地番)
面積:土地1万4428.17m2
事業主:三菱地所、三菱地所レジデンス、平和不動産、キャピタランド

開発名:新宿フロントタワー(事務所、店舗)
最寄り駅:地下鉄西新宿駅徒歩4分
面積:土地9628.17m2、延べ床9万3996.52m2、賃貸可能床(事務所)5万1947.90m2
構造:S・SRC造
階数(地上/地下):35/2
駐車台数:210
設計監理:三菱地所設計、鹿島
施工者:鹿島
工期:2008年11月~2011年5月(予定)
PAL低減率(計画時):19.77%
ERR(計画時):29.16%

開発名:ザ・パークハウス新宿タワー(分譲マンション)
最寄り駅:地下鉄西新宿駅徒歩6分
面積:土地4800.00m2、延べ床2万9985.95m2
構造:RC造
階数(地上/地下):20/1
戸数:298
住戸面積:48.07~114.88m2
間取り:1LDK~4LDK
駐車台数:113
設計者:鹿島
施工者:鹿島
工期:2010年2月~2012年3月(予定)