モルガン・スタンレーグループの不動産ファンド、MSREFが保有する全日本空輸(ANA)系列のホテル13物件がリファイナンスされた。2250億円のローンは2010年4月25日に期限を迎えたが、同社は期限延長を取り付けてレンダーと交渉を続けていた。新たな融資期間は5年間。MSREFが追加出資(リキャップ)してローンを減額したという。

 13物件はMSREF VI Internationalが2007年4月、総額2813億円で取得した。港区赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京、沖縄県恩納村の万座ビーチホテル&リゾートなどが含まれており、総客室数は約4100。2007年の取引に際してシティグループと新生銀行が合計1200億円のシニアローンと600億円のメザニンローンを提供。GIC(シンガポール政府投資公社)が450億円のメザニンローンを融資していた。

 業界内ではモルガン・スタンレーが物件の一部について早期売却を強いられるとの観測もあった。しかし、GICを含む関係者は一括リファイナンスにより市況の回復を待つ方針を決めたようだ。