竣工した豊洲フロント。写真左奥に見えるのは、2011年に完成予定の第一生命保険が建設するオフィスビル(写真:ケンプラッツ)
竣工した豊洲フロント。写真左奥に見えるのは、2011年に完成予定の第一生命保険が建設するオフィスビル(写真:ケンプラッツ)
1フロア5000m2を超えるオフィス空間。奥行きが111mある。天井高は2.85m(写真:ケンプラッツ)
1フロア5000m2を超えるオフィス空間。奥行きが111mある。天井高は2.85m(写真:ケンプラッツ)
オフィス部分のエントランス。吹き抜けになっており、トップライトから光を取り込んでいる(写真:ケンプラッツ)
オフィス部分のエントランス。吹き抜けになっており、トップライトから光を取り込んでいる(写真:ケンプラッツ)

 東京都江東区豊洲3丁目のIHI事業所跡地で建設中だった賃貸オフィスビル「豊洲フロント(仮称、豊洲3-1街区ビル計画)」が8月26日、竣工した。1フロアのオフィス床面積が5000m2超と広く、敷地の緑化率が高いことが特徴だ。建築主は、三菱地所が出資する特定目的会社とIHI。竣工時点で4フロアのテナントを募集している。

 豊洲フロントは地上15階地下2階建て、延べ床面積10万6860m2。階段やエレベーター、トイレなどの共用部分を建物の中央側に寄せ、オフィス空間は外壁4面から光を取り込む平面構成だ。フロアの長辺方向の距離は111mもある。地下鉄豊洲駅から徒歩2分の立地で、2011年5月には駅からの地下連絡通路が建物エントランスの前まで通じる予定だ。

 環境面では、敷地面積の約36%を緑化した。建物の中心部に吹き抜け空間を配置して自然光を取り入れたほか、自然換気、太陽光発電などを導入している。計画時点の建物断熱性能を示すPAL低減率は25.77%となっており、東京都が定義する「最も優れた取り組み」に該当する。設備の省エネ効率を示すERRは34.61%で、こちらも高い性能を示している。

 オフィス部分のテナントとして、住商情報システム、マルハニチロホールディングスなどの入居が決まっている。オフィス部分の共益費込みの賃料坪単価は、推定で2万円を超える水準とみられる。

 コンビニエンスストアやカフェ、飲食店、郵便局など14店舗で構成される商業ゾーンは1階に設けた。建物外構からも各店舗に入れるようになっている。

開発名:豊洲フロント(TOYOSU FRONT)
所在地:東京都江東区豊洲3-2-20(住居表示)
最寄り駅:地下鉄豊洲駅徒歩2分
事業費:非公表
面積:土地1万3700.00m2、延べ床10万6860.72m2、オフィス賃貸床面積7万223.65m2、基準階5068.42m2
天井高、OAフロア高さ:2850mm、150mm
構造、階数(地上/地下):S造・SRC造(一部RC造)・制震(オイルダンパー)、15/2
駐車場台数:244台
事業主:豊洲3の1特定目的会社(三菱地所100%出資)、IHI
(共有持ち分割合は土地・建物ともに特定目的会社が67%、IHIが33%)
設計者:三菱地所設計
施工者:鹿島
管理運営会社:三菱地所プロパティマネジメント
工期:2008年12月~10年8月
主なテナント:住商情報システム、マルハニチロホールディングス
PAL低減率(計画時):25.77%
ERR(計画時):34.61%