個人投資家にとってJ-REITの認知度は33%にとどまり、いまだマイナー商品の位置づけに甘んじている――。社団法人不動産証券化協会(ARES)が公表した第2回「個人投資家に対するJ-REIT認知度調査」によって、このような実態が明らかになった。

 調査は全国の個人投資家(貯蓄と保険以外の金融商品保有者)を対象に2009年12月にアンケートを実施し、計1099件の回答を得た。調査は、前年に引き続き2回目となる。

 調査結果によると、J-REITについて「名前も内容も知っている」との回答は全体の32.7%で、前回調査の30.3%からわずかに増加した。しかし、ほかの金融商品と認知度を比較すると、J-REITが浸透していない状況が浮き彫りになる。株式、投資信託、外貨預金、公社債、金・プラチナ、商品先物、外為証拠金取引(FX)、上場投資信託(ETF)と比べると、「名前も内容も知っている」との回答でJ-REITが上回ったのは上場投資信託だけにとどまり、2年連続で下から2番目の認知度となった。

 「J-REITについて知っていること」に関する質問では、「J-REITの経営破綻事例が発生した」「金利上昇時に分配金が減少する可能性がある」などのネガティブな特徴を挙げた回答が上位に来た。一方で、「保有不動産の賃料は安定している」「収益のほとんどが投資家に配当されている」といったポジティブな特徴は下位にとどまった。ARESは2月27日に東京国際フォーラムで「個人投資家のためのJリートフェア2010」を開催するほか、ウェブサイトなどを通じて、個人投資家に向けたJ-REITの普及策を展開していく考えだ。

 調査結果の詳細はARESのウェブサイトで公表している。