2009年12月、世界の不動産市場における日本の地位を象徴する調査結果が発表された。「アジア太平洋で最も投資したい都市」ランキングで、昨年は首位だった東京が第7位に転落したのだ。代わって上位を占めたのは上海、香港、北京の3都市だ。

 この調査は米業界団体Urban Land Instituteが中心になり、主にアジア各地にオフィスを置く欧米系ファンド運用会社を対象にアンケートしてまとめた。中国の経済的台頭に伴い日本への関心が薄れ、欧米でジャパン・バッシングならぬ“ジャパン・パッシング”が広がっているのと同じ現象が、不動産の世界でも見て取れる。

 ただし、外資規制の厳しい中国への参入は容易ではなく、興味はあっても手が出しにくい。グローバルな投資市場で日本のライバルとなっているのは、にわかに活気を帯びつつあるロンドンの不動産市場だ。物件価格が底を打ったとの認識が広まり、海外からの投資が殺到している。


(詳しい記事を、2009年12月20日発行の「日経不動産マーケット情報」2010年1月号に掲載しています。購読者限定PDFファイルのダウンロードはこちらから)