東急不動産はこのたび、2009年7月~9月期のREIT(不動産投資信託)市場に関する分析結果を公表した。鑑定評価額ベースの資産総額は7兆6899億円で、前四半期(4月~6月)に比べて約3%のマイナスとなった。REIT市場の創設以来、四半期ベースで初めて物件取得がなかったうえ、鑑定キャップレート(鑑定評価に用いる直接還元利回り)が上昇したことが影響した。

 鑑定キャップレートは、市況悪化が鮮明となった2008年10月~12月期から上昇を続けている。2009年7月~9月期は平均5.53%で、前四半期に比べて0.24ポイントの上昇となった。資産の評価額低下に伴い、NOI(純利益)を資産総額で除した運用時NOI利回りも平均5.8%へと0.2ポイント上昇している。

 この結果は、同社が構築したREIT情報データベース、TOREIT(トゥーリート)を利用して分析したものだ。すべてのREITの運用資産情報をデータベース化しており、会員に向けてREITの分析手段を提供している。また、同社はTOREITを使った分析結果を定期的にまとめており、一部はウェブサイトで公開している。