経営破綻したニューシティ・レジデンス投資法人(以下、NCR)の再生支援を表明していた大和ハウス工業とその傘下のビ・ライフ投資法人は9月18日、ビ・ライフとの合併を含む再生支援でNCRと合意したと発表した。2010年4月ころの合併をめざす。

 合併方式は、ビ・ライフを存続法人とし、NCRを消滅法人とする吸収合併方式を基本とする。NCRの投資口1口に対して、ビ・ライフの投資口を0.23口割り当てる。

 合併にあたっては、60億円の第三者割当増資を実施する計画だ。割当先は大和ハウスのほか、国内の投資家を加える方向で検討が進んでいる。払込期日は2010年1月をめどとし、1口あたり5万円で12万口を発行する。大和ハウスは合併後12カ月間、第三者割当を受けた投資口をNCR(合併後は新投資法人)の事前承諾なしに売却しないこととする。合併によって、負ののれんが発生する見込みだが、金額は現時点では未定だ。

 なお、NCRについては9月9日に開催された債権者集会で米ローンスターをスポンサーとする再生計画案が否決され、東京地方裁判所が同日、再生手続きの廃止を決定している。今回の合併が実現するには、NCRが新たに東京地裁から民事再生手続き開始の決定を受けることが条件になる。旧再生手続きの廃止が確定するのは10月9日前後になるとみられ、廃止確定後ただちに、新民事再生手続きの申し立てを行う計画だ。

 REIT(不動産投資信託)の投資法人が合併に向けて合意に至った事例は、今回が2例目となる。2009年8月には、経営破綻したパシフィックホールディングス傘下の日本レジデンシャル投資法人と伊藤忠商事傘下のアドバンス・レジデンス投資法人が、合併で基本合意している。


合併によるREITの運用資産規模の変化