表参道周辺では、メーンストリートから外れたところにある商業施設で空室が増加している。商業コンサルティング会社のビーエーシー・アーバンプロジェクト(本社:渋谷区)の調査によると、表参道周辺の商業エリアにおける2009年第2四半期の店舗テナント募集件数は932件に達する。前年同期比で約2.8倍も増加した。
神宮前交差点近くの明治通り沿いではH&M、フォーエバー21、キットソンスタジオといったファッションブランドの店舗が次々とオープンし、買い物客の人気を集めている。しかし、ひとたび裏通りに入ると街の雰囲気は一変する。明治通りの東側を走る旧渋谷川遊歩道を、表参道から北に入って奥に進むと、やがて人影はまばらになり、テナント募集の看板を掲げたビルがやたら目に付くようになる。
ほかにも明治通り東側の原宿通り沿いや、表参道南側の北青山3丁目エリアなどで、空きフロアが増えた。これらの裏手エリアでは賃料水準も大きく下落した。複数の不動産会社の話をまとめると、2009年8月時点における表参道周辺の1階店舗の平均的な賃料は、1年前と比較して明治通りや表参道は1割ほどの下落に留まっているが、裏手立地では3割程度、下がった。裏手に行けば行くほど、下落幅が大きくなっている。
(詳しい記事を、9月20日発行の「日経不動産マーケット情報」2009年10月号に掲載しています)