パシフィックセンチュリープレイス丸の内(写真:玉井 強志)
パシフィックセンチュリープレイス丸の内(写真:玉井 強志)

 ダヴィンチホールディングスは9月11日、同社のファンド「カドベ」の旗艦物件、パシフィックセンチュリープレイス丸の内を担保とするローンがデフォルトする見込みになったことを明らかにした。ダヴィンチは返済期限の延長に向けてノンリコースローンの債権者と交渉を続けるものの、同25日の期限までに合意を得ることは困難な見込みだという。

 同ビルはJR東京駅に隣接するオフィス・ホテル・店舗の複合ビル。地上32階地下4階建て、延べ床面積約8万m2の規模で、2001年に竣工した。ダヴィンチは2006年9月、同ビルのオフィス部分24フロアの信託受益権を、約2000億円で香港のパシフィックセンチュリーグループから取得していた。専有床面積は3万9102m2。本誌が当時、周辺の賃料や空室率などから推定したNOI利回りは2.4%だった。

 このローンがデフォルトした場合、ダヴィンチは2009年12月期第3四半期の連結決算で137億円の棚卸資産評価損を計上する。このローンとは別に、同社自身がBNPパリバグループから借り入れた220億円について、期限延長に向けた協議を進めている(ほか30億円は期限前弁済)。同ローンの最終弁済期限は2010年3月となっている。