大和ハウス工業が、マンション分譲大手コスモスイニシアの再生支援に乗り出すことがわかった。増資を引き受けると共に、子会社コスモスライフの全株式を取得する方針だ。コスモスイニシアは、事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きによって再生をめざしている。

 コスモスイニシアは8月28日に事業再生計画案の概要を公表し、マンション管理会社のコスモスライフの株式譲渡などに関して、大和ハウス工業と大筋で合意したことを明らかにした。両社は、マンションの共同開発などでも業務提携する予定だ。コスモスライフの全株式については2009年1月にユニゾン・キャピタルのファンドに売却しており、いったん買い戻したうえで大和ハウス工業に譲渡する。増資の規模やコスモスライフの株式取得費用など、詳細については明らかにしていない。

 コスモスイニシアは、9月28日に予定している第3回債権者会議で事業再生計画の成立をめざしている。再生計画の成立を条件として、大和ハウス工業と9月11日に子会社の株式取得や増資引き受けなどに関する契約を結ぶ。

 このほか事業再生計画案では、投資用不動産開発事業からの撤退や住宅分譲事業の規模縮小、人件費の圧縮などの方針を掲げている。取引金融機関に対しては、債権放棄と債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)などによる総額675億円の金融支援を要請している。