2009年4月-6月期の世界の大型不動産取引では、価格上位20件中、東京の事例5件がランクインした。米国などで取引が激減するなか、一定の流動性を維持した日本の不動産が相対的に目立った。

 図表1は、米国の調査会社、Real Capital Analytics(RCA)が調べた同期間の大型不動産取引だ。日本からは1位のAIG大手町ビルのほか、2位の朝日生命大手町ビル、9位の中目黒センタービルなど5物件がランクインした。ほかの顔ぶれを見ても、政府の景気刺激策で再び不動産市場が過熱している中国の開発用地6物件など、アジアの都市が過半を占めている。

 RCAの調べによると、過去1年で取引高が8割減少した南北アメリカ地域に対して、オーストラリアを含めたアジア・太平洋地域は6割の減少にとどまる。アメリカ地域の市場規模は2007年までアジア地域の2倍もあったが、2008年の年間取引高はアメリカ地域1566億ドルに対してアジア地域1622億ドルと逆転。直近の2009年上半期には、それぞれ164億ドル、484億ドルと差が開いた。

 主要都市の過去1年間の取引額を示した図表2では、大型カジノの売買があったラスベガスやニューヨーク、ロンドンをおさえ、東京が1兆6261億円で第1位となった。



(詳しい情報を、8月20日発行の「日経不動産マーケット情報」9月号売買分析記事に掲載しています。なお、米Real Capital Analyticsが8月10日に行った訂正に基づき、本誌25ページの図表1からXinan Town Baoan Districtを削除します。正しくは下記の通りです)