民事再生手続き中のニューシティ・レジデンス投資法人(以下、NCR)は7月15日、同日開催の債権者集会で、米投資ファンドのローンスターをスポンサーとする再生計画案が否決されたと発表した。一方、ビ・ライフ投資法人と同投資法人のスポンサーである大和ハウス工業は、NCRとの合併を前提に再生を支援する意向を表明した。9月9日に再度、債権者集会が開かれる。

 NCRは2009年4月にローンスターをスポンサーとする再生計画案を東京地方裁判所に提出したが、大口債権者である複数の金融機関がこの計画案に反対していた。反対する金融機関は債権者集会に先立って、ビ・ライフ投資法人と大和ハウス工業がスポンサーとなり、ビ・ライフ投資法人とNCRが合併する案を提案していた。この再生計画案による投資口の買い取り価格は、ローンスターが提示した1口あたり3万5000円を上回る額となる。

 NCRは新再生計画案に対して、現計画の大幅な変更は法的に困難であり、ローンスターとの契約を解除する状況にもないとの考えを示した。現在の計画案の金利条件などを債権者の希望に添うよう変更したうえで、次回の決議までに債権者の理解を得る方針だ。