モルガン・スタンレーグループは、同社が運用する不動産ファンドで予定していたサッポロホールディングスの株式取得を中止した。すでに保有するサッポロの発行済み株式1.8%についても、一部または全部を売却する予定だ。

 モルガン・スタンレーは2007年10月の両社合意に基づいて、サッポロの子会社が運営する複合施設、恵比寿ガーデンプレイスの共有持分15%を2008年4月に500億円で取得した。この合意には、モルガン・スタンレーがサッポロ株の最大5%を2008年6月までに市場で取得し、不動産事業を共同展開する計画も含まれていた。

 サッポロは、不動産事業でのモルガン・スタンレーとの提携関係は維持すると話している。なお、サッポロは2007年2月に米スティール・パートナーズから買収提案を受け、両社の間で攻防が繰り広げられたが、2009年2月にはスティールの提案撤回で決着している。