価値開発(旧社名・上毛)は2009年5月、経営破綻したクリードのホテル事業を継承した。同社はダヴィンチ・ホールディングスの企業投資ファンドが出資するデベロッパー。当面は不動産開発での利益拡大が見込めないことから、ホテル運営を主力とする業態転換を進めていく。

 価値開発は2008年10月、先に経営破綻した都市デザインシステムから、ホテル運営会社のフィーノホテルズを買収している。今回はこのフィーノホテルズを通じて、岩手県や熊本県などで九つのロードサイド型ビジネスホテルを運営するカンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(本社:港区)と、そのうち5物件の不動産を保有する溜池管財(本社:中央区)をクリードから5月12日付で買収し、孫会社化した。

 2社の債務を引き継いだため、株式取得価格は5600円だった。このほか、クリードが2社に対して保有する債権を200万円で取得している。価値開発は相次ぐ買収で12棟、合計1680室のビジネスホテルを運営することになった。

 同社は不動産開発の失敗により、2009年3月期決算で約80億円の営業損失を計上しており、ホテル運営によるキャッシュフロー獲得を急ぐ。2008年11月には、米ベストウェスタンインターナショナルから、日本国内でのホテル開発や新規のブランドライセンスに関する独占権を獲得している。