中央コーポレーションは4月24日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申請し、受理された。負債総額は約340億円だ。同社は東京証券取引所と名古屋証券取引所に上場しており、5月25日に上場廃止となる。

 同社は1942年に設立、長らく紡績業を手がけていた。2006年に会社名を中央毛織から中央コーポレーションに変更して、マンション分譲や投資用不動産の開発・販売などの不動産事業を中核とする業態転換に踏み切った。2008年5月期決算では、連結売上高が390億円、経常利益が22億円に達していた。

 しかし、不動産市況の悪化によって、同社の分譲マンションの販売価格は大幅に下落し、開発物件の売却も進まなくなった。早期売却のための棚卸資産の評価損計上や、損失を伴う開発用地の売却を余儀なくされ、収益が悪化し、資金繰りも苦しくなった。2009年1月には経営改善計画を策定し、シニア事業の子会社を売却や役員報酬の減額、組織・人員のスリム化による販管費の削減などに取り組んだものの、資金繰りは改善せず、自力による事業継続は困難と判断した。

 同社は、名古屋市内で地上28階地下2階建て、延べ床面積3万5487m2に及ぶオフィスビルのCC名古屋ビル(仮称)の建設を計画していた。2008年11月にも着工する予定だったが、今年に入って事業を凍結した。東京・渋谷区の宮益坂に面した場所でも、地上11階建て、延べ床面積2525m2の店舗兼事務所ビルの建設を予定していた。