ニューシティコーポレーション(本社:港区)は5月20日までに廃業する。4月21日、金融商品取引業の廃止公告を出した。傘下の私募ファンドは他社に移管済みで、近く会社も清算する方針だ。

 同社は経営破綻したニューシティ・レジデンス投資法人のスポンサーで、不動産開発とファンド運用を手掛けてきた。米CBリチャードエリス出身者が中心となり、デベロッパーの日本新都市開発を母体として2000年に設立された。

 2004年には同社開発の賃貸マンションを主な資産とするニューシティ・レジデンス投資法人を上場させ、その後3年間で2000億円規模に育てた。私募ファンドでは住宅のほか商業施設、物流施設なども運用。2006年には米国で賃貸マンションを取得したほか、上海やソウル、シンガポールに拠点を置くなど海外展開も進めていた。

 しかしその後、主力の賃貸マンションの流動性低下とREIT(不動産投資信託)市況の低迷により経営が悪化。2008年10月には傘下のニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生手続きを申請した。本体のニューシティコーポレーションも人員削減などのリストラを進めてきたが、2009年2月末時点ですでに債務超過に陥っていた。

 この事態を受けて、金融庁は4月22日から2カ月間、同社の全業務を停止する行政処分を下している。