アゼルは3月30日、東京地方裁判所に破産手続きの開始を申し立てたことを明らかにした。同日、手続き開始が決定している。負債総額は442億円だ。アゼルは東京証券取引所に上場しており、4月14日に上場廃止となる。

 アゼルは1957年に建設会社として創業し、1976年に分譲マンション事業を中心とする不動産事業に進出した。その後、リゾートやレジャー分野へと業容を拡大した。1983年に東証第2部に、1986年には東証第1部に上場し、2007年3月期の売上高は連結ベースで714億円、純利益は20億円となっていた。

 2007年のサブプライムローン問題以降、同社のマンション販売計画に大幅な遅れが生じ収益が悪化した。収益物件の転売も進まず、資金繰りが行き詰った。2008年にはプロスペクト・グループから役員を招き、経営再建に向けてマンション会社のグローベルスとの合併を模索したものの、結局は中止となった。

 2009年3月には予定していた第三者割当による増資計画が実現できず、さらには大型物件の売却で譲渡先からの代金支払いが滞る事態も発生した。資金繰りのめどがつかなくなり、運転資金が確保できないことから最終的に破産による会社清算を決断した。