大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、本社:大阪市)は3月26日、大阪地方裁判所に会社更生手続開始を申請し、保全管理命令を受けた。帝国データバンクによると負債総額は約643億円だ。同社は1989年に大阪市が設立した第三セクターで、2004年に大阪地裁で特定調停が成立していたが、わずか5年で破綻した。

 WTCが運営していたのは1995年に住之江区で完成したWTCコスモタワーだ。総事業費は1190億円で、そのほとんどを借入金で賄っていた。金利の支払いが重荷になったうえに、長引く不況のために空室率も高く、賃料収入は低迷。2000年以降、大阪市は市の各局や外郭団体などを入居させるといった支援をしたものの、債務超過が続いていた。

 2004年2月に大阪市や借入金融機関への債務減免を認める特定調停が成立したが、収入は回復しなかった。大阪府がWTCを買い取って府庁舎を移転する構想を打ち出したものの、3月24日の府議会で移転条例案が否決され、会社更生法適用の申請に至った。