建設する建物の外観イメージ(資料:NTT都市開発)
建設する建物の外観イメージ(資料:NTT都市開発)
対象地(クリックすると拡大します)
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 東京都下水道局は3月10日、港区港南1丁目にある芝浦水再生センターの上部空間に業務・商業ビルを建設する事業者として、NTT都市開発、大成建設、ヒューリック、東京都市開発、NTTファシリティーズ、日本水工設計のグループを選定した。事業者の選定にあたっては、土地の借地権価格や雨天時貯留施設の工事費、設計・企画提案の内容を総合評価する一般競争入札を実施。総合評価で1位となったNTT都市開発グループは、土地約1万1000m2の借地権を864億円で、雨天時貯留施設の工事を77億円で落札した。

 対象地はJR品川駅港南口(東口)から徒歩約7分、芝浦水再生センターの一画にある。JR山手線の新駅構想がある品川車両基地に近く、NTTドコモ品川ビルやNTT品川ツインズ、ソニー本社ビルなどに隣接している。東京都は対象地の地下に雨天時貯留施設(降雨時に下水を一時的に貯留する施設)の建設を予定しており、建設に合わせて上部空間に業務・商業ビルを建設する事業者を募集した。事業者は土地を30年間賃借し、上部ビルと雨天時貯留施設を一体で設計・施工する。ビルの一部は東京都が所有し、事業者に賃貸する。雨天時貯留施設の工事費は東京都が負担する。

 NTT都市開発グループは約1万1000m2の土地に、地上32階地下2階建て、容積対象延べ床面積17万9980m2の業務・商業ビルを建設する。完成は2014年の予定だ。国内最高水準の「環境モデルビル」として、下水再生水や下水熱の活用を計画。自然光や風を取り込むスカイボイド、夜間自然換気システム、太陽電池、屋上緑化や壁面緑化、水の気化熱により建物を冷却するウオーターフローウインドーなどの採用も予定している。

 都の入札には、NTT都市開発グループのほか住友商事グループ、住友不動産グループが参加した。借地権の入札価格は住友商事グループが621億円、住友不動産グループが368億円だった。NTT都市開発グループは、「対象地は新幹線の停車駅であるJR品川駅に近く、再拡張で国際化が進む羽田空港にもアクセスしやすい。山手線の新駅構想なども浮上しており、土地のポテンシャルの高さを評価した」とコメントしている。

【売買の概要】
名称:芝浦水再生センターの借地権
買い主:NTT都市開発、大成建設、ヒューリック、東京都市開発、NTTファシリティーズ、日本水工設計
売り主:東京都
価格:864億円
取引形態:借地権
所在地:港区港南1-2-1(住居表示)
最寄り駅:JR品川駅徒歩7分
面積:土地約1万1000m2
取引時期:2009年3月(入札)

【開発の概要】
開発名:芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業
所在地:港区港南1-2-1(住居表示)
最寄り駅:JR品川駅徒歩7分
面積:全体土地約5万m2(うち借地約1万1000m2)、延べ床17万9980m2
構造、階数(地上/地下):S造、32/2
用途:事務所、店舗
事業主:NTT都市開発、大成建設、ヒューリック、東京都市開発
設計:NTTファシリティーズ、NTT都市開発、大成建設、日本水工設計
施工:大成建設
竣工:2014年(予定)