日本ビルファンド投資法人は2009年2月、運用資産である新川崎ビルディングの売り主にあたる三井不動産から5億6745万円の調停金を受け取ることを明らかにした。新川崎ビルディングにアスベストを含む吹き付け材が使用されていたことから、投資法人は売り主の三井不動産に損害賠償を求める調停を東京地方裁判所に申し立てていた。このたび、調停が成立した。

 新川崎三井ビルディングは、JR新川崎駅から徒歩3分の場所にある高層オフィスビルだ。投資法人は2006年2月、ビルの35%の持分を三井不動産から203億円で取得した。取得後にアスベストの規制基準が変更になったことから、これまで使用されていないとされた場所でもアスベスト含有吹き付け材が見つかった。損害賠償など売買契約上の取り扱いについて両者の解釈は折り合わず、調停を申し立てるに至った。

 投資法人は調停金の取り扱いについて所管官庁に照会しており、確定後に2009年6月期(2009年1月~6月)の運用状況への影響を公表する。