ニチモは2月13日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申請し、受理された。負債総額は757億円だ。同社は東京証券取引所第2部と大阪証券取引所第1部に上場しており、いずれも3月14日に上場廃止となる。

 ニチモは1955年に設立された老舗のマンションデベロッパーだ。東京圏、関西圏を中心に、ファミリーマンションやワンルームマンションなどを分譲してきた。2007年7月には通算販売戸数6万戸を達成し、2007年9月期には連結ベースで売上高665億円、経常利益28億円を計上していた。

 しかし、世界的な金融危機を背景に不動産市況が悪化し、2008年にはマンションの販売戸数も大幅に減少した。販売価格の急落や、共同事業者の倒産による工期の遅れなどにも見舞われたことで、ニチモも収益が急速に悪化し、資金繰りもひっ迫するに至った。

 2008年9月期には102億円の純損失を計上し、2009年9月期第1四半期には、棚卸資産の評価損121億円を計上したことで167億円の債務超過に陥った。その後は、子会社の売却や棚卸資産の早期売却、名古屋営業所の廃止など、資金繰りを改善するための方策を続けてきたものの、今後予定されている支払手形の決済資金のめどが立たず、自力再建は困難と判断した。