モリモトは11月28日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額は1615億2000万円だ。同社は東京証券取引所第2部に上場しているが、12月25日に上場廃止となる。

 モリモトは1983年に設立したマンションデベロッパーで、東京、横浜、川崎を中心にワンルームやファミリータイプのマンション分譲を手がけてきた。近年は、不動産投資ファンド向けの賃貸物件開発が収益の柱となっており、2008年3月期には連結決算ベースで売上高1176億円、経常利益183億円に達した。

 しかし、今年に入って分譲マンション市場でのエンドユーザーの買い控え傾向が強まり、ファンド向けの物件売却においても資金調達環境の悪化が進んだことで、モリモトでは販売用不動産の在庫が増加した。2009年3月期の第2四半期には、横浜市で開発した大規模オフィスビルのコンカード横浜を売却したにもかかわらず、賃貸マンションや商業施設の処分が進まず、業績予想を下方修正せざるを得なかった。10月24日に、当初718億円と見込んでいた第2四半期の売上高を188億円減の530億円に修正した。

 物件売却が進まずにモリモトの資金調達も難航し、10月末に予定していた債務返済資金の確保が厳しくなった。延期していた2009年3月期第2四半期の報告書を11月28日に公表する予定だったが、監査法人から監査意見を得られず、民事再生を申請するに至った。

 なお、モリモトは11月27日に、自らがスポンサーとなっているビ・ライフ投資法人の投資口5060口を大和ハウス工業に売却することを発表した。投資法人の運用会社であるモリモト・アセットマネジメントの株式も持分の約6割を売却、大和ハウス工業に運用の主導権を委ねることを決めた。12月19日までに実行する予定となっている。大和ハウス工業によると現時点ではスケジュールに変更はないという。

<追加情報:2008年12月12日>東京証券取引所は12月12日、モリモトの上場廃止日を当初予定していた12月29日から12月25日に変更すると発表した。もともと上場廃止日を12月29日、最終取引日を12月26日、最終取引による決済日を2009年1月5日とする予定だった。ただ、1月5日は株券電子化制度への移行日にあたり、モリモトから移行に伴う費用が民事再生の手続きに悪影響を与える可能性があるとの申し出があった。これを受けて東京証券取引所が上場廃止日を変更したため、記事の内容も変更している。