2008年7月から9月にかけて、REIT(不動産投資信託)の運用資産が1891億円増加したことが、東急不動産の調べで明らかになった。この3カ月間でREITが取得した不動産は30物件、2316億円に上るが、一方で13物件を591億円で売却している。REITの運用資産総額は取得価格ベースで7兆5901億円となった。

 この結果は、東急不動産が会員制で運用しているREIT物件情報データベースシステム「TOREIT(トゥリート)」を利用してわかったもの。分析結果によると、7月~9月における物件取得時の鑑定キャップレート(直接還元利回り)は平均4.7%で、4月~6月の平均4.8%から0.1ポイント低下した。都心5区にあるオフィスビルを取得する際のキャップレートが下がったことが要因だという。一方、運用時のNOI(純利益)利回りは5.2%。安定した賃貸運営に支えられて、横ばいで推移している。

 東急不動産はTOREITを利用した調査報告書を月ごと、四半期ごとにまとめており、一部をウェブサイトで公開している。10月からは英語での情報提供も始めた。なお報告書については、年額15万7500円(英語版付き18万9000円)で販売している。