不動産オークション事業を手がけるアイディーユー(IDU)は11月11日、監査法人トーマツから、2008年8月期決算に対する意見不表明の通知を受け取ったことを明らかにした。

 IDUは国際航業ホールディングスからの出資を巡って同社と交渉してきたが、市況の混乱を理由に10月30日の期限を延長した。監査法人はこうした状況を受けて、継続企業の前提に関する疑義が解消されていないと判断した。

 この発表と同じ日、IDUは国際航業から役員4人を受け入れる人事を発表し、同社との交渉が継続中であることを示した。資本提携については11月中をめどに実現をめざす姿勢を変えていない。

 IDUは本業のオークション以外に、自己資金による不動産投資を手がけてきたが、保有物件の売却が進まず業績が悪化したことから、事業を投資子会社に移管して売却する方針を示している。11月18日には、子会社のアイディーユープラスを投資顧問会社のジェイ・ウィル・パートナーズ(本社:千代田区)のファンドに売却する予定だ。

 アイディーユープラスは大阪市内の店舗ビルなどを保有しており、8月末時点の総資産は142億7500万円、純資産は37億7800万円。IDUは売却に伴い、子会社に貸し付けていた19億円の回収を見込む一方、約5億円の株式評価損を計上する。