東証2部上場のランドコムが9月29日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申請し、受理された。負債総額は約309億円だ。同社は今年に入って資金繰りが急速に悪化、5月には社債を償還できない事態に陥っていた。

 ランドコムは1999年に創業し、マンション分譲や戸建て住宅販売を手がけてきた。2004年ころから不動産ファンド向けに商業施設やオフィスビルの開発・売却を展開し、売上を急速に伸ばしていった。2007年の連結売上高は280億円に達する。特に2007年は港区六本木や赤坂、新宿区四谷など、都心部で開発用地を積極的に取得する姿勢が目立っていた。ここ数年は、北海道ニセコでのリゾートマンション開発やデータセンターの開発・運営にも取り組んでいる。

 ランドコムによると、今年に入って不動産市況が悪化するなかで、同社の保有物件の売却が計画から大幅に遅れるようになり、借入金の返済の遅延、税金や債務の未払いなどが生じたという。負債圧縮のために保有物件の売却を急ぐとともに、資本提携による財務基盤の改善もめざしてきたものの、結局は実現できず民事再生を申請するに至った。