スルガコーポレーションは6月24日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申請し、受理された。負債総額は620億円だ。

 スルガコーポレーションは1972年に駿河建設として設立、1995年には東京証券取引所第2部に上場した。元は建設事業や分譲マンション事業などを手がけてきたが、1996年ころから不動産事業を積極的に展開し、都心の不動産を取得、転売する手法で売り上げを伸ばしていた。

 2008年3月、同社が立ち退き交渉を依頼してきた共同都心住宅(本社:千代田区)と光誉実業(本社:大阪市)の社長らが弁護士法違反で逮捕されるという事件が起きる。光誉実業は暴力団との関係が指摘されており、この事件をきっかけにスルガコーポレーションは金融機関からの資金調達が困難になった。5月末には、会計監査人の新日本監査法人から、2008年3月期の決算で監査意見を表明しない報告を受けており、上場廃止基準に抵触する可能性も高まっていた。

 所有不動産の売却も進まず、増資も困難な状況のなか、6月末までに必要な資金を調達するめどが立たなくなった。今後の債務の支払いも難しいことから、民事再生の手続きを申請するに至った。