都構想をめぐって激しい戦いが繰り広げられた大阪ですが、同地の不動産市場では今も熱戦が続いています。商業地には外国人観光客が押し寄せ、ホテル稼働も絶好調。国内外の投資家から不動産市場に資金が流れ込み、価格は大きく上昇しました。なかには3年で価格が2倍に跳ね上がった物件も。日経不動産マーケット情報2015年7月号では、そんな大阪の不動産市場を特集しました。梅田、御堂筋かいわいの取引事例110件を地図と一覧表で紹介。今後のオフィス開発計画をまとめ、賃貸床供給の推定も行っています。大阪の不動産市場の今後を見通すうえで必見の特集です。

 大阪の地下鉄淀屋橋駅近くでは今年1月、日本生命本店東館が竣工しました。「日本一、女性が働きやすい」という、女性ワーカー比率の高い日本生命保険ならではのビルコンセプトが注目を集めました。同社は大阪府松原市で自ら賃貸用物流施設の開発にも乗り出すなど、不動産をめぐる話題に事欠きません。こうした日本生命の多角的な不動産ビジネスを統括するのが、池田宜之(のりゆき)不動産部長です。7月号では池田氏にインタビューを行い、同社の不動産戦略を語ってもらいました。ウェブサイトでもそのフルバージョンを連載しますので、併せてご覧ください。

 7月号には、本誌が半年に1度、精鋭のアナリスト19人を対象に実施しているオフィス賃貸市況予測の結果も掲載しました。2015年後半までは東京都心での賃料上昇が続くことで、回答者の95%が一致しました。しかし2016年以降は徐々に見方が分かれていきます。記事ではアナリストそれぞれのコメントを掲載していますので、今後の不動産戦略を立てる材料にしていただければと思います。

 売買レポートは、東京建物グループが中野セントラルパーク サウス棟を一棟所有にした例や、野村不動産系REIT(不動産投資信託)3法人の合併に伴う7物件の取得事例、コーディア・サヴィルズによる台場の大型SOHOビル取得など、23件を掲載しました。これらを含む取引事例100件を一覧表にまとめています。

三上 一大