投資先の再上場、相次ぐ不動産売却で世間をにぎわせている米系某投資会社。着々と進むエグジットの動きから、同社の日本撤退がささやかれています。「オフィスの解約通知を出したようだ」との情報もあり、その動向が気になるところ。もし引き上げるのであれば、日本チームの人材が動くことになります。不動産市場が熱を帯びるにつれ、業界では新天地を求めて移籍する動きが激しくなっています。日経不動産マーケット情報4月号では、こうした人材流動化の動きを取り上げました。シニアクラス27人の去就を追うとともに、それに伴う各社の戦略を浮き彫りにしています。今後の業界動向を占ううえで必見です。

 東京証券取引所がREIT(不動産投資信託)市場を開設してから12年半。その時価総額は7兆5000億円に達するまでに成長しました。そんななか東証は新たに、上場インフラファンド市場の創設をめざしています。REIT市場との違いは何か、どのようなスケジュールで開設するのか、市場規模をどうみるか――といった疑問を、東証の清田瞭社長と小沼泰之執行役員に投げかけ、4月号に掲載しました。さらにインタビュー全文をウェブサイトに掲載しましたので、併せてご覧ください。

 オフィス市況トレンドでは、2012年4月~2014年3月に完成した大規模ビルと、2015年3月までに完成する予定の新築ビル、合わせて51棟の稼働率(テナント契約率)を調査しました。その結果、平均稼働率は73%、完成済みの36物件に限ると91%に達することがわかりました。記事のなかでは、個別ビルごとに稼働率を明らかにしています。

 売買レポートでは、グッチをはじめとする高級ブランドを多数抱えるフランスのケリングが、表参道のベネトンメガストア表参道を取得した事例や、ドイツのSEBが高田馬場のオフィスビルと横浜のホテルを取得した取引、第一生命による収益2物件への投資など、記事25本を掲載。これらを含む売買126件を売買事例一覧にまとめました。

 なお小誌は今年も、フランスのカンヌで開催された世界最大の不動産コンファレンス、MIPIM(ミピム)に参加しました。レポートは小誌ウェブサイトTwitterで随時発信。5月号(4月20日発行)ではそれらのまとめ記事を掲載する予定です。ご期待ください。

三上 一大