このところ、アジア系投資家が日本の不動産を購入する動きが目立ちます。アジアマネーを市場に引き込もうとする努力が日本の不動産会社などによって続けられており、特に投資家層のボリュームが圧倒的に大きい中国からの投資に期待が高まっています。中国の投資家を獲得すべく、不動産会社や投資会社だけでなく、世界的に有名なオークション会社も日本の不動産情報を提供し始めました。

 12月号では、こうした中国マネーをめぐる動きを特集しました。取材してみると、中国富裕層の投資マネーを呼び込むためのしくみづくりが続いているものの、実際の投資はあまり進んでいないことがわかりました。横たわるハードルは「外貨の両替規制」「ファイナンス」「ビザ」……。中国からの投資を促すために必要なものは何か。ぜひ、記事をお読みください。

 12月号には、福岡の不動産投資市場をまとめた記事も掲載しています。福岡市の市場は長らく低迷が続いてきましたが、ようやく明かりが差してきたようです。市中心部でマンション用地の取引が活発になり、東京のファンドや外資系投資家による大型物件取得も出てきました。今後のオフィスビル供給も絞られていることから、空室の解消が比較的速いペースで進むとみられています。市場の回復も見えてきました。

 このほか、本誌オリジナルのデータを基にした「売買事例分析(2011年7月~9月)」では、震災の影響から立ち直る不動産投資市場の動きが見えてきます。「オフィス移転・賃料調査」では、港区と大阪市の動向をレポートしました。大阪では、北ヤードの大型再開発のテナント募集が始まり、話題となっているようです。「売買レポート」には、六本木のTSK・CCCターミナル跡地を住友不動産が取得したケースなど、25事例を掲載。今月号も読み逃せない記事が満載です。

徳永太郎