2011年上半期は、都心主要商業地区の平均賃料はおおむね横ばいで推移している。エリアによっては、2011年後半から2012年にかけて大型商業開発も目立つことから、今後、賃料水準が上昇する可能性もある。

 トラフィック(歩行者流量)が多い新宿、渋谷、池袋などは、駅から離れた場所で空き店舗も目立っており、地区内での格差が広がりつつある。銀座地区は商業開発が活発化していることもあり、1階部分の賃料は上昇傾向にある。表参道もメーンストリートの賃料は高水準にある。ただし、裏手に立地する店舗は依然、空きが目立つ。

 なお、2011年3月の震災によって都心部の繁華街も一時売り上げが減少したが、6月以降は総じて回復しており、この間の賃料水準に震災の直接的な影響はなかった。


  フロア区分 銀座 表参道 新宿 渋谷 池袋
募集賃料
(円/坪)
全フロア 29,300 28,100 26,500 21,600 20,500
1F 54,700 36,200 38,300 32,400 30,900
1F以外 23,600 24,700 22,800 19,800 19,500
公募数 全フロア 270 435 188 316 145
1F 48 145 31 47 14
1F以外 222 290 157 269 131
スタイルアクトが提供するReRemによる集計

ビーエーシー・アーバンプロジェクト


※2011年第1四半期の調査から対象エリアを以下のように変更しました。
対象範囲を商業集積地に絞ったため、より実態に近い値になりました。

【注】本レポートは、公募されている店舗系賃料情報に、個別のリーシング情報、伝聞賃料情報などを加え、主要エリア別の店舗賃料トレンドとして整理したものである。データについては、スタイルアクトとビーエーシー・アーバンプロジェクトが共同開発したマーケットデータシステムReReM(リリム)によるもので、地域別、時期別に収集、分析している。公募賃料はオンライン上で公募されている店舗系賃貸物件情報で、物件により共益費を含むケースと含まないケースがあるため、ここでは別途徴収している共益費を全サンプル数で除した平均値(月坪約1千円)を加算し、共益費込賃料として合計している。 ReReM(リリム)の詳細はスタイルアクト、もしくはビーエーシー・アーバンプロジェクト(下記関連リンク)まで。