汚れにくく長持ちするが、高価で施工が難しい光触媒塗料。シェア最大手のTOTOは、材工単価を従来の約6割に抑えた新製品を開発した。従来の4層塗りから3層塗りに工数を減らし、コストダウンを実現した。

 光触媒塗料は、紫外線を当てるだけで有機物の汚れを分解する機能を持つ。塗膜表面の親水性により、雨が降れば汚れを一緒に洗い流す。しかし単価の高さがネックとなり、なかなか手が届かない。下塗りの有機成分を分解しないように、中塗りとして無機成分の保護層(バインダー)を必要とすることや、一般塗料の1割程度の厚さしか許容しない光触媒層の施工の難しさが、価格を押し上げていたからだ。

 そんな状況を一変させたのが、TOTOが今年5月に発売したカラー光触媒塗料の「ハイドロテクトカラーコートECO-HG」だ。コンクリートに平滑仕上げで施工する場合、1m2当たりの材工単価が税別3800円。一番単価が安い窯業系サイディングで模様有りの場合は2800円とした。従来製品では4800円からだった単価を大幅に下げた。