施設を計画する際にはまず、発注者を知る必要がある。必要な設備や面積といった施設に対する要望だけではない。大切なのは、施設を通して何をしたいのかを知ることだ。発注者の目的は施設という“箱”をつくることではない。その“箱”を使って何かを実現することだ。

 その目的を明確に理解しておかないと、ある程度計画が進んだ段階で思わぬすれ違いが発生し、予定が大きく狂ってしまうかもしれない。予期せぬトラブルや不要な手戻りを防ぐためにも、プロジェクトの本質を早い段階で見極める必要がある。