米山 老朽化したマンションをファンドが買い取って賃貸マンションとして再生するという内容は、たぶんだれも言ったことがないことだろうと思うんですけれども、この構想自体をいますぐ実現できるとは私も思ってはいないんです。たぶん、ファンドに売ると言っても、それはファンドに売ることについて区分所有者全員の合意が必要なわけで、だれかが反対したらできませんからね。 いま、マンションを区分所有権という形で共同で所有することの限界がだんだん現れ始めてきていて、第一世代のマンションがどんどん老朽化している。この傾向は今後も続いていく。国土交通省はそれを何とかして、うまくメンテナンス、維持管理していきたい一方で、所有者が合意できるのであれば、建て替えを促進していきたいという、そういう流れだと思うんです。 けれども、建て替えはたぶん一部のマンションでしか実現できないだろうと私は思います。これだけストックが増えているなかでは、もう少し別な方法で建物の活用の仕方を考えるアイデアが一つあるかなと思うんです。…… 村井 米山さんはご専門がマンション管理に特化していないといわれますが、逆に、だからこそ、私はかえってインパクトを感じるんですよ。専門性のしがらみからフリーな視点を持っておられるという意味でね。 ……
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