月夜の遠吠え/村田真のマンション管理編集記
目次
-
最後の遠吠え!?
“なぜ「月夜」で「遠吠え」かは、いずれコラムの中で明らかになるでしょう”とかつて書きました(2007年4月25日付)。ところが、書くべきことが次から次に現われ、「いずれ」にかまけていままでその件に触れてきませんでした。このまま編集記を閉じるわけにはいきません。
-
年内でサイトの更新とメルマガの配信を休止します
突然ですが、残念なお知らせをひとつ、申し上げなければなりません。日経BP社の建設・不動産の総合サイト「ケンプラッツ」を通じてこれまで配信してきたメールマガジン「マンション管理通信」は、来週の12月24日号をもって休止することになりました。また、テーマサイト「マンション管理新時代」の全コンテンツの更新…
-
老朽化マンションの建て替えが投資の対象になる日
「こんなボロいところに住むつもりで買ったわけじゃないの!」もう10年近く前の話です。さる民放TVの知り合いのディレクターが建て替え検討の進んでいた千葉県のI団地の1戸を借りて住み込み、決議の日までの1年近くを追ったドキュメンタリーを制作して放映しました。総会では全体決議のほかに棟別決議が集計され、全…
-
「共同の利益」と迷惑居住者対策の加減
多くの人たちが暮らしているマンションに住むためには、他者に対する配慮がそれなりに必要です。でも“配慮”といっても人それぞれ。敏感な人もいれば鈍感な人もいます。賃貸マンションと異なり、入居者を選べないのが分譲マンション。年齢や家族構成、生活習慣、国籍や宗教、法律観の異なる人が隣り合わせで住んでいるのが…
-
規制改革会議の認識は現場とずれているのでは?
国土交通省は、内閣府、法務省と合同で実施した「分譲マンションの建替え等の検討状況に関するアンケート調査結果」の概要を、11月21日に発表しました。内容は国土交通省のホームページの「報道発表資料」で見ることができます。築30年超の管理組合や管理会社を対象としたこのアンケートは、5月28日付のこのコラム…
-
高井定博さん、ありがとうございました
小社建設局が関わる唯一の「BtoC(Business to Consumer)」サイトである<マンション管理新時代>には、コメント欄や読者サービスセンターを通じて記事への問い合わせが数多く寄せられます。昨日は、読者サービスセンターから<すぐに使える規則・細則テンプレート集>について尋ねられました。「…
-
Sさんへの手紙
2005年に建て替え決議を成立させた大阪府吹田市の千里ニュータウン内にある「桃山台第2団地」で、建て替えに反対して住み続けてきた1住戸に明け渡しを求めた大手デベロッパーの申し立てが認められ、11月7日、大阪地方裁判所による強制執行が行われました。02年の区分所有法改正後、おそらく建て替え決議に絡む初…
-
耐震改修の費用対効果は?
例えば、耐震改修することで、いざというときの被害額をどれだけ軽減できるのか、被災後の資産価値にどれほどの差が出るのか、耐震診断と耐震改修の費用対効果について定量的に検証してみることはできないのでしょうか。資料がなかなか見つからないなかで、そんな試みに果敢に挑んだ調査機関があります。本サイトの「中古マ…
-
「200年住宅ビジョン」の落とし穴
先の通常国会で継続審議となったいわゆる「200年住宅法案」が、臨時国会に提出されています。「長期にわたり良好な状態で使用される措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅(長期優良住宅)」の普及を促進するのが法案の目的です。耐久性が高く、内装や改修が容易にできる住宅を認定し、改修履歴を記入した…
-
時代とともに変わるマンションの駐車場問題
私の住む団地型マンションでは先週末、秋の恒例行事が行われました。全駐車場の入れ替えです。敷地内にある300台強の駐車場と敷地周辺に管理組合法人で借りている100台弱の駐車場の全利用者を、毎年、抽選で入れ替えているのです。ここに引っ越してきた当時は、居住者間の公平性を保つ目的だからとはいえ、すごいこと…
-
確実に売れるマンションにするリフォームとは?
マンションの住戸をリフォームする動機はさまざまです。住み続けるためにリフォームするのであれば、居住者が満足できる範囲でデザインは自由にできます。一方、賃貸や売却を考えてリフォームするのであれば自ずと制約がかかります。住戸を売却するためにリフォームする例がよくありますが、そうした場合には設備も含めてど…
-
「住居専用」マンションに建築設計事務所?
建築専門誌「日経アーキテクチュア」の編集記者が、社会人としての私のスタートでした。取材で数多くの建築家の事務所を訪れました。そのときはあまり気にしていなかったのですが、90年代半ばから集中的にマンション関係の記事に取り組むようになって、ひとつ気付いたことがあります。中小の建築設計事務所の多くが都心周…
-
「有限」の権利を「無限」に見せる工夫?
対談「これからのマンション管理を考える」に登場いただいている米山秀隆さんは、先週取り上げた論文「マンションの終末期問題と新たな供給方式」の冒頭で、区分所有のマンションという居住形態の抱えた「最も根本的な問題」は、「建築物には物理的な耐久性があることから、同じ建築物を未来永劫、区分所有することができな…
-
そこまで区分所有にこだわる必要があるのか?
好評連載対談「これからのマンション管理を考える」は、新しいゲストを迎えたシリーズに入ります。今回のゲストは、富士通総研経済研究所上席主任研究員の米山秀隆さんです。米山さんは、シンクタンクで20年近く日本の土地・住宅政策を研究され、事業者サイドと消費者サイドの両方に目配りの効いた数多くの刺激的な論考を…
-
BS/110度CSデジタル放送がマンションに投げかける課題
「達人に聞け!」では、日本建築家協会(JIA)メンテナンス部会長の宮城秋治さんに、「地デジ化を控え、BSデジタル放送や110度CSデジタル放送も受信したいと主張する一部居住者にどう対応すればよいか」という読者からの質問に答えていただきました。マンション全体でケーブルテレビに加入していれば、2011年…
-
コーポラティブ住宅はやはり主流になれないのか?
わが国に登場して40年余り。住み心地の指標として顔なじみの人が集まったコミュニティーを特に重視したい人、既成のプランに飽き足らず注文住宅のような自由な間取りがほしい人、有名デザイナーの設計した新築マンションを少しでも安く手に入れたい人、建物や敷地は小規模でもいいから都心に近い立地でマンションを確保し…
-
中古マンションの流通促進に必要な「管理」関係の情報は何か?
そこにあるものを買うのと、これから出来るものを買うのは似ているようで大違い。本来であれば、自分の目で確認できるほうが安全性や確実性はより高いと思うのですが、マンション(建物)は事情が異なるようです。まだ現物を見ることができず、誰が住んでいるかもわからない新築マンションのほうが、流通量では中古マンショ…
-
縮小する夏祭り
いくら火薬が世界史上に誇る四大発明の一つだからといって、あそこまで派手にやるとは…。北京五輪の閉会式。今度こそCGではないだろうなと目を皿のようにして、「鳥の巣」が爆発したかのように延々と続く打ち上げ花火をTVで見ていました。熱気にあふれた夏もそろそろ終わりです。打ち上げ花火といえば、私の住む団地で…
-
マンションでも「PER」に加えて「PBR」が登場!
10年前にその駅周辺で専有面積70m2のファミリー向け新築マンションを購入してすぐに賃貸に出し、つい最近、何らかの手段で賃貸借契約を解消して売却したとすると、賃貸収入と売却益で6000万円近い利益を出せる計算が成り立つエリアが東京にあるそうです。その試算によると、10年前の購入価格は5018万円。金…
-
築30年からの大規模修繕・大規模改修
ほぼ1年前にゲストとしてお招きしたノンフィクション作家の山岡淳一郎さんが、最近、著書を出版されました。『地球にやさしい家に住もう』(朝日新聞出版、1400円+税)です。北海道から沖縄まで、全国の省エネ住宅で暮らす家族や住人、設計や施工に携わった人たちを訪ね歩いた9本のルポが収録され、うち2本でマンシ…