●製品名:無水小便器、壁掛式洋風便器

 パブリックトイレ向けの超節水製品。便器の洗浄水や下水の量を減らし、水処理に関わるエネルギーなどを抑える。CO2(二酸化炭素)の排出抑制にもつながる。8月1日に2品種を発売する。

 「無水小便器」は、洗浄用の水をまったく使わないのが特徴。便器本体と、尿が流れ込む専用カートリッジなどで構成する。カートリッジに水よりも比重が軽いシール(密封)液を入れることで、尿を封じ込めてにおいをシャットアウトする。さらに、たまった尿がトラップの役割を果たす。カートリッジは、不純物の堆積によって排水性能が低下するため、約5000~1万回の使用ごとに交換する。

 また、便器のリムをカーブ状にして汚れをたまりにくくした。凸凹のないデザインを採用したので掃除の手間も減る。水を流さないのでカルシウムイオンの供給量も少なくなり、便器の汚れのもとになる尿石もできにくい。

 価格は、無水小便器本体が11万5000円(工事費別)、カートリッジ(6個入り)が3万2760円。写真のタイプのほかに、床排水タイプの便器もある。

無水小便器
無水小便器

 「壁掛式洋風便器」は、同社がこれまで住宅用の便器で培ってきた、洗浄水を上から流して水の勢いを落とさない技術を導入したパブリックトイレ。便器の形状も最適化した。これによって、2006年に発売した同社の製品では8リットル必要だった洗浄用の水を、6リットルまで減らすことができた。

 価格は、便器・自動フラッシュバルブ・タッチスイッチ・シャワートイレ・必要部材のセットで38万8342円(工事費別)。便器の側面をカバーで覆って凸凹を隠し、掃除をしやすくしたタイプも用意する。

壁掛式洋風便器。便器の側面をカバーで覆って凸凹を隠し、掃除をしやすくした
壁掛式洋風便器。便器の側面をカバーで覆って凸凹を隠し、掃除をしやすくした

 INAXの試算によると、上記の2製品を約1000人(男性600人、女性400人)が勤務する10階建てのオフィスビルに導入した場合、年間で約857万円のランニングコストが削減できるという。CO2の排出量も約7.6トンが削減できる。

 なお、INAXは、低炭素や省エネ、循環型社会の構築を目指し、環境省との間で「エコ・ファーストの約束」を6月24日に締結した。今後も建材・設備のトップランナー企業として、環境に配慮した製品づくりを促進していく。今回発売する無水小便器と壁掛式洋風便器も、同社の取り組みの一翼を担う製品として位置づけている。

問い合わせ:INAX
電話:0120-1794-00