おかげさまで「日経コンストラクション」は2009年に創刊20周年を迎えることになりました。創刊以来、読者のみなさまをはじめ、土木の第一線でご活躍の数多くの方々に支えられ、月2回の発行を積み重ねてきました。

 節目の年を迎え、土木の実務に役立ち、かつ業界の構造改善に資するような情報の提供に、よりいっそう努めていく所存です。激動期の今こそ、専門誌が果たすべき役割は大きいと考えます。本誌が目指すのは、先行き不透明な時代に信頼される“羅針盤”です。

 そんな思いを胸に、新たな時代に対応するため、4月10日号から雑誌のロゴと誌面デザインを刷新しました。ビジュアル化を一段と推し進め、よりダイナミックに、さらに分かりやすく、土木の今をお伝えしたいと思います。

 今回の誌面刷新では、すべてのコラムのデザインを見直しました。土木の最前線の工事現場を紹介する常設欄として創刊時から続けてきた「ズームアップ」も、より臨場感豊かに、一段と図表を充実してブラッシュアップしています。

 充実・強化したのは誌面デザインだけではありません。技術者のみなさんが激動期を乗り越えるために必要な情報の提供を強化しています。

 その一つが技術士をはじめとする資格試験対策の強化です。2008年に連載し、読者の方から高い評価をいただいた「技術士一直線」は、2009年に質も量もパワーアップ。第二次試験の出題傾向や勉強法はもちろん、昨年は誌面の都合で十分に掲載できなかった論文の添削例や選択科目別の解説を充実して、「技術士一直線2009」として連載しています。さらに、8月上旬に実施される第二次試験の一般論文や専門論文の直前対策として、試験に出やすいキーワードの解説記事を6月発行号に掲載する予定です。

 地形・地質や積算などの連載コラムでは、とかく小難しくなりがちな内容を、トラブル例に基づきながら実務に即して分かりやすく解説しています。

 連載コラム「危ない地形・地質の見極め方」では、工事段階で地すべりや斜面崩壊に遭遇して対応に苦慮した事例をもとに、トラブルを未然に防ぐための着眼点をベテラン技術者が伝授します。

 連載コラム「クイズ 積算ミスを探せ」では、積算ミスの例をもとにQ&A形式で積算の基本を学びます。厳しい受注競争下では施工者も積算の基礎知識が必要になることから、施工者のチェックポイントも解説しています。

 5月からは「施工計画の極意」を紹介する連載コラムをスタートさせます。総合評価落札方式の入札の拡大で重要性が高まっている施工計画に焦点を当て、作成上の勘所をプロジェクトベースで明らかにしていく企画です。

 土木関係の事故の多発を受けて昨年10月に新設した「事故に学ぶ」は、いまや日経コンストラクションの看板コラムに育ってきました。具体的な事故事例を取材して原因を探り、教訓を導き出すコラムです。品質管理や安全管理に役立つ内容をこれからも充実していきます。