都心と臨海部を結ぶ地下鉄は相互直通するか

豊洲駅前からIHI本社方向を眺める。この道路の直下に有楽町線(東京8号線)の線路が敷かれている(写真:大野 雅人)
豊洲駅前からIHI本社方向を眺める。この道路の直下に有楽町線(東京8号線)の線路が敷かれている(写真:大野 雅人)

 東京都は、東京臨海地域の交通需要に応える複数の路線についても比較。豊洲から勝どきまで線路を延ばす「ゆりかもめ延伸」、りんかい線の国際展示場駅付近と銀座エリアを結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄構想」などだ。

 都は、18号答申に盛り込まれていたゆりかもめ延伸に「収支採算性で課題がある」とし、地下鉄構想を「優先すべき」と位置付けた。また、この地下鉄構想ルートは、都が計画中のBRT(バス高速輸送システム)と重なるが、定時運行で劣るバスよりも鉄道を選んだかたちだ。

 また、東京スカイツリーや北千住方面と、臨海エリアを南北に結ぶ東京8号線延伸(豊洲─住吉)も「優先的に検討すべき路線」に位置付けられたが、「地上にもともとある越中島貨物線や新金貨物線(ともにJR線)と、有楽町線(メトロ)の線路をつなげたほうが、新設する区間も短く済むのでは」といった声も挙がっている。

 この地下鉄構想ルートが、海側でりんかい線と、皇居側で既存の地下鉄と連絡すると仮定すると、線路の幅で相直相手もおおよそイメージできる。りんかい線の線路幅が狭軌のため、仮にこの構想ルートも狭軌とすると、銀座エリアを走る地下鉄の直通相手は狭軌の日比谷線や千代田線、三田線などが浮かんでくる。

臨海エリアの計画路線イメージ。赤点線が地下鉄構想ルート、オレンジ点線が東京8号線延伸ルート、青二重線がBRT計画ルート。2019年度には都心と臨海副都心を結ぶBRTの運行開始を予定している(資料:東京都)
臨海エリアの計画路線イメージ。赤点線が地下鉄構想ルート、オレンジ点線が東京8号線延伸ルート、青二重線がBRT計画ルート。2019年度には都心と臨海副都心を結ぶBRTの運行開始を予定している(資料:東京都)

小岩・新小岩と金町を結ぶ新金貨物線(総武線支線)の「貨客併用化」は「検討すべき路線」から外れた(写真:大野 雅人)
小岩・新小岩と金町を結ぶ新金貨物線(総武線支線)の「貨客併用化」は「検討すべき路線」から外れた(写真:大野 雅人)

小岩と越中島を結ぶ越中島貨物線(総武線支線)の「貨客併用化」は「検討すべき路線」から外れた(写真:大野 雅人)
小岩と越中島を結ぶ越中島貨物線(総武線支線)の「貨客併用化」は「検討すべき路線」から外れた(写真:大野 雅人)