国土交通省の交通政策審議会が2016年以降を対象とした東京圏鉄道ネットワーク整備の基本方針(次期答申)を検討しているなか、東京都は7月10日、独自に「整備について優先的に検討すべき路線」などを絞り込んだ。それらのなかには、2000年に定められた「18号答申」に含まれていない路線も明記されている。なにが当落を分けたのか。
都が「優先的に検討すべき路線」と位置付けたのは、「東京8号線延伸(豊洲─住吉)、東京12号線延伸(光が丘─大泉学園町)、多摩都市モノレール延伸(箱根ヶ崎方面、町田方面)、JR東日本「羽田アクセス線」の5路線。羽田アクセス線は、JR東日本が構想する空港アクセスルートで、18号答申外の路線だ。
また、これらよりも下位レベルとなる「検討すべき路線」には、新空港線「蒲蒲線」や、区部周辺部環状公共交通、都心部・臨海地域地下鉄構想、都心部・品川地下鉄構想など14路線が盛り込まれた。都心と臨海部・品川エリアを結ぶ構想(答申外)については、こちらの記事で伝えたとおり。
18号答申に明記された蒲蒲線よりも、JR東日本が構想中の羽田アクセス線が「優先」となり、新金貨物線や越中島貨物線の貨客併用化、西武新宿線・東京メトロ東西線相互直通、都心直結線、東京モノレール延伸などが「検討すべき路線」から外れたかたちだ。