日経アーキテクチュアは4月6日、ムック「東京大改造マップ2020 最新版」を発売した。同書では首都圏の10の注目エリアの今後を展望した。そのなかの1つ、「池袋」エリアを紹介する。
国内2位の乗降人数を誇る池袋駅だが、駅の周辺に人が流れないことから“駅袋”とも呼ばれてきた。1978年に完成したサンシャイン60以降、大きな変化のなかった駅周辺が、庁舎移転を契機に変わり始めた。
池袋駅東口から南東に徒歩8分、住宅街の一角に「としまエコミューゼタウン」(南池袋2丁目A地区再開発)が全貌を現した。
地下3階、地上49階。総事業費約428億円。上層階は分譲マンションの「ブリリアタワー池袋」で、その足元にスカートのように広がる低層部(3~9階)に豊島区役所が入る。庁舎は5月7日に供用を開始する。
「サンシャイン60以来の好機だ」。豊島区都市整備部都市計画課の原島克典課長は、池袋駅周辺整備における新庁舎の意味をそう表現する。
サンシャイン60は池袋駅から東に約600m、巣鴨拘置所跡地に1978年に完成した地上60階建てのオフィスビル。大規模な商業施設やホテルも併設する。「池袋駅東口を出た人の約8割がサンシャイン方面に向かう」(原島課長)という再開発の成功例だ。しかし、それは人の流れがいまだにサンシャインにしか向かわないことの裏返し。そんな東口の新たな核となることが期待されているのが、としまエコミューゼタウンである。
敷地は旧日出小学校跡地一帯で、サンシャインから見ると約400m南西。最寄駅は東京メトロの東池袋駅だが、多くの人は池袋駅からグリーン大通りを歩くと予想されている。