日経アーキテクチュアは4月6日、ムック「東京大改造マップ2020 最新版」を発売した。同書では首都圏の10の注目エリアの今後を展望した。そのなかの1つ、「有明・辰巳」エリアを紹介する。
五輪バブルともいうべき大工事が始まろうとしている有明。五輪時には間違いなく“日本の中心”となる場所だ。しかし、その西側にある台場・青海地区のカジノ誘致も含め、五輪後の将来像は焦点を結びにくい。一方、昭和の風景が残る辰巳では、都営団地の高層化が始まった──。
まずは有明を見てみよう。この一帯には2020年東京五輪の競技施設が4つ、一直線に並ぶ形で建設される。その競技施設エリアを西側から見下ろす形で「ブリリア有明シティタワー」が立ち上がった。
地上33階建て、住戸数600戸の大規模マンションで、免震構造を採用した。15年3月下旬から入居が始まった。
ブリリア有明シティタワーの西側では、約3万6000m2の広大な敷地にクレーンが立ち始めた。衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングと大和ハウス工業が共同で建設する大型物流倉庫、「Dプロジェクト有明I」だ。
地上6階建て、延べ面積約11万m2。こちらも免震構造を採用。建物の底面が地面から2~3m高くなる地上免震とし、津波などの水害が起こっても建物内に浸水しにくいようにした。総事業費は約650億円。16年1月竣工を目指す。
有明地域で最も大きな開発と目されているのが、「ARIAKE Garden City」だ。敷地は、五輪のテニス競技に使用される有明コロシアム(既存)の東側。現在は約11万m2の広大な更地が広がる。
この場所には住友不動産が、住宅棟のほか、大型ショッピングセンター、オフィス、イベントホール、保育所などからなる大規模複合施設を18年度までに建設する計画だった。しかし現在、「内容を見直し中」(住友不動産広報部)という。当初予定の18年度中の完成は厳しそうな状況だ。