一晩で消えた3つの踏切

 上り線の高架切り替え工事は、1月24日の終電後から25日の始発電車までのわずかな時間に実施。3カ所の踏切にあった警報機などは全て撤去され、線路はフェンスで塞がれた。道路上の停止線も消されているが、線路が残っているのが見えるためか、切り替え初日は徐行や一時停止する車も見られた。

警報機が撤去されたかつての踏切。道路上の停止線は消されているが、徐行や一時停止するドライバーも多く見られた(写真:小佐野カゲトシ)
警報機が撤去されたかつての踏切。道路上の停止線は消されているが、徐行や一時停止するドライバーも多く見られた(写真:小佐野カゲトシ)

 東京都と西武鉄道の発表によると、高架化前は3カ所の踏切の平均遮断時間が1日10.5時間にも及んでおり、石神井公園第5号踏切の遮断による渋滞は最大で220mに達していた。だが、下り線の高架化後は遮断時間が4割減ったことで、渋滞長も約4割減の130mまで縮小したという。今回の高架化完了により、踏切での渋滞は完全に解消されることになる。

下り線高架化直後の石神井公園第5踏切(写真:小佐野カゲトシ)
上下線高架化後の石神井公園第5踏切(写真:小佐野カゲトシ)
下り線高架化直後(上)と上下線高架化後(下)の石神井公園第5踏切(写真:小佐野カゲトシ)

 高架化直後の現在はまだ旧上り線の線路が残った状態だが、今後は側道の整備に向けて撤去作業が行われる。西武鉄道によると、線路の撤去は2014年度内に終了する予定だ。

 東京都建設局によると、側道は2016年度内に完成の予定。線路の撤去後にまず下水道などライフラインの工事を行い、その後道路を整備していく。側道は幅6~10mで「練馬高野台─石神井公園間の高架沿いの道路と同じようなイメージ」という。

踏切だった場所は線路がフェンスでふさがれている(写真:小佐野カゲトシ)
踏切だった場所は線路がフェンスでふさがれている(写真:小佐野カゲトシ)